2018-03-28

日記20180328

入水自殺をしてみようと思いつく。
特にこの世に憂いている訳でも何でもないが、なんとなく、ちょっと死んでみることにした。
早速、近所の多摩川に行き、一片の躊躇もなく、どぼんと飛び込んでみる。
しばし目を瞑る。

気がつくと、どこかの田園地帯にぽつんと立っていた。どうやら自殺は失敗したようだ。
多摩川に飛び込んだ私は、流される過程で本流から分岐したらしく、海まで出ることなく、川が自然に終わる部分まで流されたようだ。
ここ一帯では、川の水を使った農業が行われているようである。瑞々しい空気の、とても心地の良い場所である。来てよかった。自殺失敗してよかった。

携帯のGPSを使ってこの場所を調べると町田付近である。
この辺に友達が住んでいることを思い出して、久しぶりに飲みにでも誘ってみようと思った。

2018-03-19

日記20180319

ミスターチルドレンの桜井和寿氏と、サッカーボールくらいの大きさの、ピタゴラスイッチの「ピ」の字の取り合いをした。
一応お互いにスポーツのつもりでいるので、何かしらのルールに基づいて行われてはいるが、傍から見たら単なる幼稚な所有権の奪い合いである。

激しく取り合いをしているうちに「ピ」の字は吹っ飛んでいき、端に置いてあった硫酸入りのバケツの中に落としてしまい試合中止となった。

2018-03-16

日記20180316

今住んでいる東京の賃料に不満があったので、名古屋に引っ越すことにする。荷物は追って配達してもらうことにしている。

新居に到着した瞬間、ここからでは東京の勤務先に通えないことに気付いて呆然とする。既に諸々の手続きを済ませてしまったので今更キャンセルはできない。しばし自分の計画性のなさを体育座りしながら嘆いた。近くを走る電車の音が、西日の当たる空っぽの部屋に響いていた。

2018-03-02

日記20180302

地元の往来を散歩していると、道端に蹲っている人がいる。
小学生の時の、そこまで仲良くもなかった同級生である。当時のままの姿と顔をしている。

曰く、駅に向かうためにバスに乗っていたら乗り物酔いを起こして途中下車したという。
現在地から駅までは歩いて二十分程度の距離であるが、当人のコンディション的に自力で向かうのは困難と思われる。扶助の精神が湧く。
私はすぐさまタクシーを拾って、駅まで同行してあげることにした。

同級生を介抱しつつ同乗し運転手に目的地を伝えるや否や、勢い良く音を立てて急発進した。
運転はおそろしく奔放で、法定速度等の交通規程など完全に無視、前を走る車を蛇行運転で次々とごぼう抜きしていく。さながらテレビゲームのようである。

ワイルドな運転手のおかげでワンメーターで到着できそうなのは有難いが、同級生は瀕死の顔をしている。乗り物酔いを起こした人への対応を完全に誤ったようである。

やがて駅に到着、タクシーに乗ったまま改札を抜け、ホームで停車した。
メーターを見ると80,000円と表示されている。しばらく乗らないうちにタクシー料金というのはこれほどまでに高くなっていたのか。
同級生と二人で折半しても四万円である。同級生に尋ねると、声にならない声で「払えない」という。

同級生とは元々懇意でないため次回徴収するような機会などもなさそうだし、そもそも勝手にタクシーに乗せたのは私である。
ということは私が全額負担するのが道理と見える。不快である。
料金を払い渋る私に注がれる、ホームで電車を待つ利用客の視線が痛いことも相まって大いに不快である。

この不快感から脱却するにはどうすればいいのか。
そうだ、夢から醒めればいいんだ。
と思った刹那、電源が切られたかのようにぷつんと世界が消失して真っ暗になった。